当会は、「仰木の棚田」で知られる大津市の平尾集落をフィールドとして、地元農家の有志とボランティアにやってきた都市住民とが一緒になって設立した団体です。
平尾では2004(平成16)年10月より行政が主体となり、都市住民に参加を呼びかけた棚田保全が行われていましたが、行政の力を借りずに自分たちの手で棚田や里山の保全を行おうとする機運が高まり、2006(平成18)年1月に22名の会員(地元農家8名、都市住民14名)により「平尾 里山・棚田守り人(もりびと)の会」を発足させ活動を開始しました。
2007(平成19)年4月には会則を設け、役員・予算・事業計画を明確にするなど、会としての体制を整え、現在に至っています。
当会ではボランティアに来ていただいた皆さんに、感謝の気持ちを込めて「地域通貨」をお渡ししするなどの絆を深める取り組みも行っています。 会員数は2015年4月時点で29名(地元農家8名、都市住民21名)となっています。
会の目的としては会則第2条に、「本会は、琵琶湖西岸の山麓に広がる仰木の里「平尾」の里山・棚田をフィールドとして、地域の農林業生産活動を支援するとともに、地域住民との交流を深め、もって里山・棚田の保全に寄与することを目的とする。」と定めています。
また、設立時の趣意書には以下のように記載しています。
趣意書
私たちは、琵琶湖西岸の山麓に広がる仰木の里「平尾」の里山・棚田を愛するものの集まりです。
私たちは、県内外の様々な場所で生活を営んでいます。平尾に生まれ育ったもの、縁あって平尾の近くに移り住んだもの、何かのきっかけで平尾を知ったもの。そうした私たちを結び付けているものは、平尾の里山・棚田を愛するということです。
平尾の里山・棚田は私たちに様々なものを与えてくれます。豊かな自然の中で額に汗して働く喜び。豊かに育った作物を収穫する喜び。そしてそこに育つ木々や草花、生き物たちと触れ合う喜び。 私たちは、この大好きな平尾の里山・棚田がいつまでも残ってほしいと願っています。
そのため、私たちは志(こころざし)を同じくするものたちで、私たちの活動の場として「平尾 里山・棚田守り人(もりびと)の会」を発足させました。
私たちは、放棄された棚田の復元、土手の草刈り、雑木林の下草刈り、獣害柵の設置、耕作者がいなくなった棚田での農作物の生産など、様々な活動に取り組みます。
もちろん、平尾の里山・棚田の将来については、平尾に住む人々にゆだねられるべきであることは承知しています。
その中で、私たちと平尾に住む人々が理解し合い、私たちの活動が平尾の里山・棚田を守るうえにおいて、少しでも役立つことが私たちの願いです。
その結果、このすばらしい平尾の里山・棚田の将来が約束されれば、これ以上の喜びはありません。
平成19(2007)年4月7日
平尾 里山・棚田守り人(もりびと)の会 発起人一同
会では、平尾地域の里山や棚田を保全する様々な活動を行っていますが、大きく分類すると
1. 一般ボランティアを募集しての里山・棚田保全活動
2. 棚田オーナー制度の運営
があります。
1. 一般ボランティアを募集しての里山・棚田保全活動
これまで休耕田の復田、林道の補修、草刈りなどを行ってきましたが、現在では田に侵入する鹿や猪を防ぐ獣害防止柵の設置を主に行っています。
2. 棚田オーナー制度の運営
2006(平成18)年に16区画でスタートしましたが、2010(平成22)年には36組の応募があり、田植えや稲刈りには百名近いオーナーの皆さんが参加されています。
そのほか、企業や学校が行う環境保全活動の受け入れや、他の環境保全団体との交流、行政等の補助金をうけての里山・棚田保全活動の実施など、幅広い活動を行っています。
会の活動を定期的にお知らせする広報誌です。こちらを御覧ください。